【オンライン学習】「どこまで手伝う?」保護者の役割と子供の役割分担ガイド
オンライン学習は、地方にお住まいのご家庭にとって、時間や場所に捉われずに質の高い教育機会を得られる有効な手段の一つです。お子さまの「学びたい」という気持ちを応援したい、より良い学習環境を与えてあげたいとお考えの保護者さまも多いことでしょう。
一方で、「オンライン学習って、保護者がつきっきりで見ていないといけないのでは?」「PC操作が苦手なのに、ちゃんとサポートできるか不安」「忙しくて時間が取れないけれど、子供は一人でできるだろうか」といったご心配や疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
オンライン学習をスムーズに始め、お子さまが無理なく、そして効果的に学習を進めるためには、保護者とお子さまの間で、それぞれの「役割」を明確にしておくことが非常に大切です。この記事では、オンライン学習における保護者の役割と子供の役割について、具体的な考え方や忙しい中でも実践できるヒントをご紹介します。
なぜオンライン学習で「役割分担」が大切なのでしょうか?
オンライン学習では、対面授業のように先生が常にすぐそばにいるわけではありません。お子さまが自分で教材を開き、学習を進める部分が多くなります。ここで保護者がすべてをサポートしようとすると、保護者の負担が大きくなり、続けることが難しくなるだけでなく、お子さまの自主性や問題解決能力を育む機会を奪ってしまう可能性もあります。
適切な役割分担は、お子さまが「自分で学ぶ力」を育むことに繋がります。また、保護者さまが抱える時間的・精神的な負担を軽減し、家庭全体でオンライン学習を継続しやすくするためにも重要な視点です。
オンライン学習における保護者の主な役割
保護者さまの役割は、お子さまの学習を「代行する」ことではなく、「サポートする」ことにあります。具体的には、以下のような役割が考えられます。
- 学習環境の準備: インターネット環境や利用するデバイス(PC、タブレットなど)の準備、静かで集中できる場所の確保など、お子さまが学習に取り組みやすい物理的な環境を整えます。
- 初期設定や契約手続き: サービスの利用登録、料金の支払い方法設定、ソフトウェアのインストールなど、最初に必要となる手続きを行います。PC操作に不安がある場合でも、最初の設定だけは少し頑張ってみたり、家族や詳しい知人に相談したりすることで乗り越えられます。多くのサービスは初期設定マニュアルを提供しています。
- 学習スケジュールの相談と管理: お子さまと一緒に、いつ、どのくらい学習するかを決め、無理のないスケジュールを立てます。そして、スケジュール通りに進んでいるか、時々一緒に確認します。ただし、スケジュールを管理するのはお子さま自身であることを意識することが大切です。
- 学習状況の「把握」と「声かけ」: お子さまがどのような教材で学んでいるか、どこでつまずいている可能性があるかなどを把握し、必要に応じて「今日の勉強はどうだった?」「何か分からないことはある?」など、前向きな声かけを行います。つきっきりで監視するのではなく、安心感を与える存在であることを目指します。
- 安全な利用のための見守り: インターネット利用における危険性についてお子さまと話し合い、不適切なサイトへのアクセスや個人情報の安易な公開などをしないよう、基本的なルールを決め、見守ります。フィルタリングソフトなどの活用も検討できます。
- サービス提供者との連携: 学習内容や進め方に関する疑問、技術的な問題などがあれば、サービス提供者へ問い合わせを行います。
オンライン学習における子供の主な役割
お子さま自身がオンライン学習の主役です。自分の力で学びを進めるための役割を担います。
- 自分でログインする: サービスへのログインや、学習に必要な教材・ツールを開くといった基本的な操作を行います。
- 決められた時間・場所で学習に取り組む: 保護者と一緒に決めたスケジュールや場所で、学習を始めます。
- 教材を自分で進める: 動画を視聴したり、問題を解いたり、指示に従って学習を進めます。
- 分からないことを質問する: 疑問点があれば、サービス内の質問機能を使ったり、次の授業で先生に聞いたりするなど、自分で解決しようと努めます。すぐに保護者に聞くのではなく、「どうすれば解決できるかな?」と自分で考える習慣をつけます。
- 学習の記録をつける(可能であれば): 学んだ内容や時間などを簡単なノートにまとめたり、サービス内の記録機能を活用したりすることで、自分の学習を振り返る習慣をつけます。
忙しい保護者でもできる!役割分担を成功させるヒント
「忙しくて、とてもこんなにサポートできない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご紹介した役割は、最初から完璧にこなす必要はありませんし、すべてを毎日行うわけでもありません。
- 「つきっきり」より「見守り」を: 学習時間中、ずっと隣に座っている必要はありません。同じ空間でそれぞれの作業をしたり、時々様子を見に行ったりするなど、「見守っているよ」という安心感を与えることを目指しましょう。
- 短い声かけを習慣に: 「おはよう、今日の勉強頑張ろうね」「休憩しようか」「今日のここ、よくできたね!」など、短時間でもポジティブな声かけをすることで、お子さまのモチベーション維持に繋がります。
- PC操作は一緒に学ぶ姿勢で: 保護者さまがPC操作に苦手意識があっても大丈夫です。最初から完璧に教えようとせず、「ここはどうやるのかな?一緒に見てみようか」と、お子さまと一緒に学びながら進める姿勢が大切です。サービスの使い方で困ったら、まずはFAQやマニュアルを確認し、それでも分からなければ遠慮なくサポートセンターに問い合わせましょう。
- 完璧を目指さない: 最初はうまくいかないこともあるでしょう。スケジュール通りに進まなかったり、分からないことがあっても質問できなかったり。完璧を目指すのではなく、「少しずつできるようになろうね」という気持ちで、根気強くサポートしていくことが大切です。
- お子さまと話し合う機会を持つ: 定期的に「オンライン学習、どう?困っていることはない?」「どんなサポートが必要?」など、お子さまと率直に話し合う時間を持つことで、役割分担を柔軟に見直すことができます。
まとめ
オンライン学習は、保護者さまがすべてを担う必要はありません。お子さまが主体となり、保護者さまはそれを適切にサポートするという役割分担をすることで、お子さまの自主性を育みながら、保護者さま自身の負担も軽減することができます。
特に、忙しい日々の中で時間や費用に制約がある保護者さまにとって、お子さまが「自分で学ぶ力」を身につけることは、オンライン学習を継続していく上で大きな助けとなります。
最初から理想通りにいかなくても大丈夫です。お子さまの成長に合わせて、またご家庭の状況に合わせて、親子で話し合いながら、無理のない範囲で役割分担を調整していってください。オンライン学習が、お子さまの成長だけでなく、保護者さまとお子さまの信頼関係を深める良い機会となることを願っています。